介護保険制度において、ご利用者様にとって必要な介護サービスを計画する「ケアマネージャー」は、利用者本人や家族にとっても絶対必要です。
一口にケアマネージャーと言っても、様々なタイプのケアマネージャーが存在し、表現は不適切ですが「ケアマネージャーには、当たり・外れがある」とも言われています。
そこで、今回は「良いケアマネージャー、悪いケアマネージャーの見分け方」について触れてみます(ちなみに私もケアマネージャーです)。
良いケアマネージャーとは
良いケアマネージャーは、抽象的に言えば「ご利用者様(ご家族様)に対して熱い心と、冷静な頭をもっているケアマネージャー」です。具体的には、下記のようなケアマネージャーは良いケアマネージャーと言えます。
・ご利用者様やご家族様の今後の希望や意向をきちんと聞く事ができる。
・各種の介護サービス内容について、適切に情報提供ができる。情報提供は行うが、ケアマネージャーの主観のみで特定の介護サービスをご利用者様やご家族様に押し付けない。
・「利用したい介護サービスを選ぶのは、ご利用者様やご家族様である」というスタンスで、サービス計画を作成する事ができる。
・ご利用者様やご家族様の気持ちや要望を代弁して、関係機関や介護サービス事業所に適切に伝えることができる(そのような能力を有している)。
介護保険制度の根幹の考え方の1つである「利用者本位」というスタンスを守ることができ、ご利用者様やご家族様の希望や意向をくみ取って、サービス計画に反映させる事ができるケアマネージャーが、良いケアマネージャーです。
悪いケアマネージャーとは
悪いケアマネージャーは、大きく2つのタイプに分ける事ができます。
1つ目は「ケアマネージャーの主観だけをご利用者様やご家族様に押し付けて、ご利用者様やご家族様の希望や意向を介護サービス計画に反映させないタイプ」。
2つ目は「短時間で仕事を切り上げてしまう、時間どおりの仕事しかしないタイプ(ご利用者様やご家族様に対して親身になってくれない)」です。
1つ目の「ケアマネージャーの主観だけをご利用者様やご家族様に押し付けるタイプ」の例を挙げます。例えばご利用者様やご家族様の希望や意向よりも「まずはデイサービスを週2回利用して、お風呂に定期的に入りましょうね」とか、「このご利用者様には本格的なリハビリは必要無いと思うから、リハビリ系のサービスはやめておきましょうね」等、ケアマネージャー個人が「〇〇サービスと〇〇サービスを組み合わせて計画作成するのが良いに決まっている」というような主観で介護サービスを組み、ご利用者様やご家族様の気持ちを介護サービスに反映させません。
このようなタイプのケアマネージャーは、ケアマネージャー本人は悪気はなく、むしろ『ご利用者様やご家族様に最適だと思うサービスを組んだ』という善意の気持ちが先行している方が多いです。悪気が無いので憎めないのですが、善意の押し付けのようなタイプとも言うことができ、場合によってはご利用者様やご家族様にとって鬱陶しいタイプのケアマネージャーになる可能性があります。
もう1つの「短時間で仕事を切り上げてしまうタイプ」は、ご利用者様やご家族様が伝えたい、聞いてもらいたい話があっても、例えば話の途中で「時間になったので、今日はこれで帰ります」といったタイプです。
つまり、介護保険制度の根幹とも言える「利用者本位」の基である、ご利用者様やご家族様の希望や意向を十分に傾聴しないので、介護サービス計画がお役所的(表現が悪くてすみません)で、型どおりのサービスしか組むことができず、ご利用者様やご家族様の気持ちを無視するような介護サービスを組む可能性があります。
ケアマネージャーは変える事ができる
もし悪いケアマネージャーになってしまった場合、ケアマネージャーを変える事が可能です。このケアマネージャーを変える事が可能であるということを知らないご利用者様やご家族様が多いのですが、そのケアマネージャーが所属している事業所へ直接伝えて変えてもらうこともできますし、直接言いにくい場合は、お住まいの地域包括支援センターや区市町村の介護保険関係の窓口に相談に行くと、対応してもらえます。
まとめ
ケアマネージャーには様々なタイプがいますが、悪いケアマネージャーに担当されてしまい、ご利用者様やご家族様が「このケアマネージャーとは合わない」と感じたら、変える事が可能です。
ご利用者様やご家族様にとっては長期に渡って介護サービスが必要になるケースが多いです。悪いケアマネージャーに担当されて、ご利用者様やご家族様が我慢を続ける必要はありません。ケアマネージャーは変える事ができるという認識をもち、少しでも良いケアマネージャーとめぐり合えることをお祈りしております。
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