私は認知症

ダメなケアマネージャーのタイプを5つ発表します

 

 私はケアマネージャーになって10年になります。最初は、未熟でとてもいい仕事をしたとは言えないなぁと今さらですが反省しています。仕事が出来ないと言うより、介護保険のことやご利用者のことが深く理解できてなかったと思います。気持ちの空回りもありました。過去の私のことでもありますが、ダメなケアマネージャーのタイプを5つを発表します

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ダメなタイプ①自分の事業所のサービスばかりを紹介する

 介護事業者のオーナーがケアマネージャーに課してくるものに、所属の法人のサービスを使わせてほしいということがあります。デイサービスや訪問介護の事業を併設している事業者は出来るだけ他の事業所の利用をさせないで自社のサービスの情報を中心に紹介してほしい。とオーナーは考えています。
※大抵のケアマネージャーはどこかの居宅介護支援事業所や老人施設に所属しています。

 自社のサービスをご利用者が望んでいるのであればすんなり利用して下さいますが、人それぞれ思いがありますから、うまくいくとは限りません。まして、認知症を持っているご本人が自分たちのサービスに満足してくれるとも限りません。それどころか強く反発して認知症の周辺症状の表出につながることもあります。

 ケアマネージャーはサービス側と利用者側の摩擦が起こると、「困難ケース(扱いにくい人たち)」のレッテルを貼って、自分の計画の拙さをご本人やご家族の責任に転化してすまし顔なんて人もいます。なんでもかんでも困難事例にし、言い訳をするケアマネージャーはダメです。

ダメなタイプ②自分で計画書が書けない

 自分で文章が書けないケアマネージャーは結構います。特にリハビリテーションや訪問看護等の医療関係のサービスについて苦手としていて、中途半端に医学用語などを使おうとするから余計に書けなくなってしまっています。

 ベテランのケアマネージャーでも平然と「私は、介護職出身だから、医学用語がわかりません。」と言います。そんなこと言っているから、いつまでたっても介護職の地位が上がらないですよ。用語ぐらい勉強してほしいです。

 今は介護計画書の文例のサイトがあって、丸写ししようと思えばなんぼでもできます。計画書もコピペで同じなんてことも。みんな同じ、どこを切っても金太郎飴のような計画書しか作れないケアマネージャーも最悪です。

ダメなタイプ③ご利用者の生活に入り込みすぎる

 介護保険という制度の中でサービスを提供しているので、介護保険のサービスにも出来ることと出来ないことがあります。介護保険で認められていないサービスは自費を請求することになります。

 例えばホームヘルパーは介護の専門職として生活援助と身体介護をおこないますが、保険の単位数が身体介護は高く設定されています。排泄介助などの身体介護のサービスを計画しているのに、「給付の限度額が超えそうなので。」とか、「利用者の一部負担金を減らしてあげたいので。」といって、生活援助の給付をしようとするケアマネージャーもいます。

 きちんと説明すればご利用者がサービスの対価として、認めてくださるのに、勝手に「安くすむほうが喜ばれる。」と思い込んで、事業所に言ってきます。訪問介護の事業所は小規模で経営面で大変な事業所が多く、「仕事をくれるなら」と言いなりになって譲歩してしまうことがあります。

 また、自費負担が言い出せなくてケアマネージャー自身がご利用者の家の草刈りをしたとか、毎朝、出勤前に訪問して安否確認しているケースも聞いたことがあります。ケアマネージャーが仕事を超えてご利用者に感情を入れすぎてしまいます。その結果、利用者や家族が介護保険制度そのものや、ケアマネージャー個人に依存心が強くなってしまいます。しっかり支えながらも、プロとしての距離感が大事です。すっかり甘えん坊にしては認知症のご本人が最終的に困ることになります。又、ケアマネージャーもオーバーワークになってしまい、仕事として続かなくなって離職してしまうこともあります。べったりしたあげく、ぐったりケアマネージャー

ダメなタイプ④医師が苦手

 医療関係者が苦手で、避けてしまうケアマネージャーもいます。病院や診療所の敷居が高くて医師から聞き取りをしたり、情報収集したりが苦手です。又、ケアプランを主治医に送付することも自信がなくてできないままのケアマネージャーもいます。医療と介護の連携が求められている今は、ケアマネージャーから医療に働きかけることが重要です。医療に妙なコンプレックス持ちすぎケアマネージャーは考えものです。

ダメなタイプ⑤社会資源や制度について不勉強

 介護保険の知識のみ、介護保険サービスのみで利用者を支えることは出来ません。特定疾患などに対する医療制度や後見人制度、障害者への施策などご本人やご家族にとって必要な制度について詳しいことはわからなくても、どこで手続きをすればいいのかぐらいは、ケアマネージャーは把握しておく必要があります。

 もちろん住宅改修の知識や介護用品、福祉用具の知識もあったほうがいいです。又、町のお弁当屋さんや、コンビニエンスストアやスーパーマーケットの宅配などの情報も役にたちます。

 ご本人は要支援・要介護状態ではありますが、市民として普通に生活しておられます。日常の生活の感覚が大切です。街の社会資源を何も知らない情報収集力不足のケアマネージャーでは利用者が困ります。

まとめ

 ケアマネージャーは、介護保険制度利用を計画し、家族、ご近所、行政、医療など多業種のコーディネイトをする職種です。フットワークも必要ですし、自社のみでなく他の事業所や病院など医療機関、行政との信頼関係も重要です。

 家族間の問題がこじれて介護が困難になっているときもあります。ご本人やご家族にとっては、資格がとれたばかりの新人でも「相談ができる頼れる人」と思っておられます。介護保険や福祉に関わる法律も改正されて変化していきますので、常に学ぶ姿勢を要求される仕事です。

[参考記事]
「ケアプランの作成手順。良いサービスを受けるために知っておこう」

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